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2007年05月17日 (02:02)

食べる男

 男は飢えていた。くたばるのなら何かを残してからにしたい。しかし毎日が最悪の日々。そこから輝かしい何かを、たとえ生み出すことができたとしても、そこには虚言が含まれている予感に絶望した。

 それならいっそのこと全てを食べてしまおう。男はその絶望を食べた。とても苦いとしか言葉では表現できない味がした。そして希望を含んだ予感さえも食べてしまった。こんなものがあるからわたしは…。

 男は次々と身の回りにあるモノを、ガイネンを悉く食べ尽くしていった。まるで萩原朔太郎の詩にある蛸のように。愛を孤独を、自由を涙を、この道を、悲しみから幸せへと繋がる糸さえも。

 なくなった。とりこんだ。もどした。でていった。おいかけた。

 依然として男は飢えていた。全てを表現し尽くした筈なのに。今日もなにひとつとして充足しない。それなのにまだ男はくたばらない。誰にも見えないこの心は、あの蛸の身体と同じように、色もなくこの世界の背景に溶け込んでいる。

 そして男は自らそれを望んでいる。誰からも食べられないように…。

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